今年度のノーベル物理学賞を受賞された益川敏英・京都産業大教授のお話は、このブログのテーマにかなっているものだなと、興味を持って聞かせていただきました。
益川先生の報道陣に対する最初のリアクションが「私は外的報酬で研究をしてきたわけではない。内的報酬でやってきたことの結果がノーベル賞だっただけ」ということをおっしゃりたかったのだと思います。
「自分は決してハードワーカーではなく、その反対のソフトワーカーだ」というのも、まさにその通りではないでしょうか?
外発的報酬の仕事というのは、最善の手順を選び、データを集めて、最も確率の高い方法を選択して結果を出していくという「力技」のやり方です。短時間で成果を得ようとすれば、一定程度の成果を出せるものです。
内発的報酬の仕事というのは、自分の興味があることに自分のエネルギーのすべてを集中して、最後は脳が持っている自動整理機能(潜在意識が一日24時間、年365日スイッチをオンにしている)によってパッとひらめく、という事が多いわけです。これは、時間無制限一本勝負ですね。
私も以前生命科学研究に従事していたころ、赤血球母細胞がどこで赤血球に分化していくのか、という事を研究していたときに、赤血球母細胞に蛍光マーカーをつけて追跡するイメージがふと湧いてきました。真っ暗な中で、電子顕微鏡をのぞいているような画面に目的の細胞が青緑色の蛍光を発しているのがはっきりとわかる、そんな映像が頭に浮かんだのです。
その話を上司の先生に話したところ、今回ノーベル化学賞を受賞された下村脩・ボストン大名誉教授が発見された緑色蛍光たんぱく質(GFP)の話を聞かされた事を思い出しました。
ただ、当時は細胞にマーキングする方法が確立されておらず、90年代になってアメリカでその方法が開発されたわけです。私は様々な事情があって生命科学研究の世界から離れてしまっていたので、下村先生の発見の恩恵を利用させていただくことはできませんでしたね。
しかし、今回の下村脩先生のノーベル賞受賞は、他人事のように思えないほど喜びを感じます。
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